社会制度

法人化のメリット・デメリットとは?法人成りによる節税ポイントも紹介

今は会社員だけれど、
将来的に独立して法人化・法人成りを検討している人もいるのではないでしょうか?

私もその1人です。

法人化にはさまざまな利点がありますが、
特に節税など金銭的メリットの多さが魅力ですよね。

そこで私なりに法人化のメリットやデメリット、法人化すべき売上目安などを調べました。

法人設立時に利用できるサービスもピックアップしていますので、
これから法人化する方の参考になれば嬉しいです。

法人化のメリット

法人化のメリットは多岐に渡ります。その代表的なメリットを5つにまとめてみました。

節税対策になる

まず何と言っても、節税対策になることが大きなメリットです。

個人事業主や法人は、売上金額から経費を差し引いて所得金額を算出するので、
売上額からどれだけ経費を引けるかで、支払う所得税額や住民税額が変わります。

さらに法人になると利用できる税金圧縮方法が増えるため、
さまざまな方法で節税できるようになります。

例えば次のような項目で節税可能です。

【法人化による節税ポイント】

・自身に役員報酬を支払い所得税を削減:
利益の一部を自身に役員報酬として支払うことで、法人の所得部分を減らします。そして自身の給与からは給与所得控除を引けるので、二重で所得を圧縮することが可能です。

・家族を役員に指定:
日本の所得税は所得が大きいほど税率が高くなる制度になっています。そこで法人の役員に家族を指定して役員報酬を支払うことで、所得を分散して節税することができます。

・家や車を社用に指定:
自宅開業している個人事業主の場合、自宅の家賃の30%程度を按分して経費にできますが、法人なら家賃の50%程度を法人から支給できます。よって法人は家賃の50%を経費計上、個人は家賃の50%で住めるというメリットがあります。また自家用車も法人名義で所有すれば、かかる費用を経費計上できます。

そもそも個人事業主の場合は、収益を生む為に必要とされる経費だけを計上できます。対して法人なら「法人の行った業務行為」はほぼすべて経費にできるのです。よって個人事業主よりも経費計上しやすく、節税効果も期待できます。

・法人設立から2年間は免税業者扱い:


画僧引用:個人事業を法人化するメリット・デメリットがすべてわかる!(税理士が教える相続税の知識)

年間の課税売上額が 1,000 万円を超える事業者は、消費税を納める「課税業者」になります。これは個人事業主・法人とも同じ条件です。

しかし売上額を問わず法人設立から2年間は免税業者扱いになり、消費税を納めなくて済みます。立ち上げ時期は軌道に乗せるまで時間がかかることも多いので、この免税措置は嬉しいですね。

・赤字を最長9年間繰越:
商売が赤字になった場合、青色申告をしている個人事業主は赤字を3年間繰り越すことができます。しかし法人成りをしていれば赤字の繰越が9年間も可能!黒字転換したときの税金を圧縮できますよ。

・生命保険の半額を経費に:
会社員や個人事業主は自分で支払っている生命保険料や医療保険料の一部を控除できます。しかし法人名義で保険に加入すれば、その保険の種類にもよりますが、保険料の全額から半額程度を経費計上できるんです。

よく行われている節税方法として、生命保険料を会社経費として支払いながらその分を会社内部にとどめておき、退任時に退職金として受け取る方法があります。

法人融資を受けられる

法人化すると日本政策金融公庫や地方自治体などの公的融資を利用しやすくなります。
借りる対象は設備投資資金や運転資金など。中には女性や若手起業家を対象にした融資もあるようです。

もちろん銀行などの民間金融機関でも融資を組めます。
個人が銀行からフリーローンを借りると融資金利が高めになりがちですが、
法人融資は比較的低金利で借りられるのが魅力。

とはいっても公的融資の方が審査が下りやすいので、
法人立ち上げ時期は公的融資を利用する人が多い印象です。

社会保険に加入できる

個人事業主は国民年金に加入しますが、法人を設立すれば厚生年金に加入できます。
同じ社会保険制度でも国民年金よりも厚生年金の方が掛け金が大きいので、
受け取れる年金も増加するという利点があります。

ただ法人には従業員の社会保険を負担する義務が発生するため、
結果的にトータルの保険料負担は増えるでしょう。

法人化の際にはこの負担額に注意すべきです。

社会的な信用力が増す

たとえ同じ取引内容でも、
取引先が個人ではなく法人の方が信用できると感じる人は多いと思います。

法人化によって社会的な信頼が増し、
案件受注やリレーション構築、採用活動などでプラスにはたらく可能性が高いです。

また法人としてクレジットカードを作成すれば、事業用の経費をキャッシュレスで支払え、法人としての信用情報履歴も残せます。

法人化したら法人カードを作成するのがお勧めです。

有限責任にできる

個人事業主が万が一顧客に損害を与えたり赤字続きになったりしたとき、
その損失分はすべて自分で補填する責任があります。
このため、借金苦で自己破産するケースもあります。

一方で法人になった場合は、
株式会社や合同会社ならその責任範囲が限定されるので、個人資産はある程度守られます。

また取引先が倒産したときに連鎖的に倒産するのを防ぐため、
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)を利用することも可能です。

大切な資金を守るための仕組みが多く利用できるのはメリットですね。

経営セーフティ共済の概要はこちらを参考にしてください。
経営セーフティ共済・制度の概要(中小機構)

法人化のデメリット・注意点

法人化は当然ながらメリットばかりではありません。その主なデメリットを3項目に分けて説明します。

メリットとデメリットを天秤にかけ、法人化するか検討するといいですね。

赤字でも法人住民税の支払いが発生する

個人事業主は所得税と住民税、法人は法人税と法人住民税を毎年納めます。
このうち所得税と住民税、法人税は売上や所得によって変動し、
赤字の場合は免除されます。

しかしもし赤字だったとしても、
法人住民税を最低でも毎年7万円は支払う必要があります。

また法人設立時には登記費用などで約20万円ほど負担します。
法人化には何かと費用がかかるので、手元資金をある程度用意しておくといいでしょう。

交際費の費用計上に制限がある

他社との付き合いなどの利用する交際費

個人事業主のときはその全額を経費計上できましたが、
法人には計上できる範囲が決まっています。

もし交際費を湯水のように使っている場合(よろしくありませんが……)
法人化するとその取扱が厳格になるので注意が必要です。

法人のお金を個人に移すときに税金がかかる

いつかは法人を退職するときが来ます。
法人に蓄えたお金を個人口座に移す際、当然ながら個人に税金がかかってきます。

退職金なら一時所得、贈与なら贈与税など、
受け取る方法によって税金の種類や税率が変わる点に注意です。

どのように資産を受け取るか、有利な方法を検討しておきましょう。

法人化をした方がいい売上はいくらから?

法人化して得をするのは、個人事業主として納める税額よりも、
法人化して法人・個人トータルで納める税額が低くなったときが大きな目安です。

通説では、法人化すべき売上の目安は年商 1,000 万円程度とするケースが多いです。
調べてみたところ、それ以下でも法人化するメリットはあるという方もいます。

例えばこちらのサイトでは、
課税の対象になる利益部分が 500 万円以上なら法人化すべきとしています。

また別のサイトでは、
利益部分600万円以上、かつ課税売上 1,000 万円以上なら法人化を検討するようにとしています。

社会的な信用力や社会保険などの恩恵が受けられることを考慮すれば、
年商 1,000 万円以下でも法人化するメリットがある、というロジックのようです。

詳しくは各記事を参考にしてみてください。

簡単に法人化したいときに利用できるサービス

法人を設立するときは、税理士に依頼することが一般的です。
まずは信頼できる税理士を探すところから始めるといいと思います。

ただ最近は個人が簡単に法人化できるサービスもリリースされていますので、3つほど紹介します。

会社設立 freee

経理系クラウドサービスを提供しているfreeeが、法人化をサポートするサービスです。

法人設立に必要な登記申請書を簡単に作成できるほか、
法人口座や法人クレジットカードの作成もお手伝い。
法人登記を専門家に代行してもらうオプションもつけられます。

利用料金はなんと0円!

紙定款は無料、電子定款の代行は5,000円ですが、
紙定款には4万円の印紙代がかかるため、電子定款の方が安くあがります。

会社設立freeeはこちら

マネーフォワード 会社設立

「マネーフォワード 会社設立」は会社設立freeeと同様、利用料無料で登記書類などを作成できます。

しかもこちらは電子定款作成も0円なので、よりお得だと思われます。

マネーフォワード 会社設立はこちら

ウェブゼイム

ウェブゼイムの「法人成り・法人化支援サービス」は、
法人化に関するあらゆる相談や手続きを
税理士や司法書士、社会保険労務士などにサポートしてもらえるサービスです。

会社設立を代行してもらえる格安プランは 9,800 円(税別)
会社設立をすべて司法書士に丸投げできるプランは 29,800 円(税別)だそう。

法人設立を少し手伝ってもらいたい方に向いていると思います。

ウェブゼイムはこちら

法人化のメリットは大きい!

法人化にはさまざまなメリットがあり、特に節税面で非常に大きな魅力があります。
利益 600万円を超えたあたりから、法人化を検討し始めるといいようです。

私はまだ会社勤務ですが、副業で個人事業に取り組んでいます。
事業拡大、そして法人設立までこぎつけられるよう、しっかり取り組んでいきます!