社会制度

育児休暇を男性も取る時代?収入減少への対策とは

2019年は男性の育児休暇が話題になりましたね。これから育休取得を考えている男性もいるのではないでしょうか?

私は第一子のときは育休を取得できませんでしたが、第二子誕生の際は取得を検討しています。新生児期の育児は想像以上に大変なので、妻とともに育児に励みたいと考えています。

しかし気になるのは、育児休暇中の収入減少。ある程度は仕方ないとはいえ、大切な収入は確保しておきたいところですよね。

そこで、育児休暇中の収入状況や収入を確保する方法を調べてみました。これから育休取得を検討している人はぜひ参考にしてください。

育児休暇制度とは。収入は基本給の67%に

まず産休と育休のしくみを整理しましょう。

出産を控える女性は出産予定日の6週間前から産後8週間まで、産前・産後休暇(産休)を取得できます。この間に女性が受け取れる「出産手当金」は、日給の3分の2程度です。

引用:産休・育休はいつからいつまで取れる? 制度の基本ともらえるお金(マイナビニュース)

産休が終わると育児休暇に移行し、保育園に入れないなどの理由があれば最長で子どもが2歳になるまで延長できます。育休中に支給されるのは「育児休業給付金」最初の6ヶ月は標準報酬月額の67%、その後は50%が受け取れます。

男性にだけ認められる育休方法(パパ休暇・パパママ育休プラス)

男性も育休を取得する場合、女性とは違った育休の取り方も2パターン認められています。

ひとつは「パパ休暇」といって、出産後8週間以内に父親が一度育休を取得した場合、その後の期間でももう一度育休を取れる制度です。

引用:育児休業制度とは(イクメンプロジェクト・厚生労働省)

出産直後1ヶ月間は母体を休めるべき「産じょく期」に当たります。この期間に母親に無理をさせないためにも、父親が休みを取れると助かりますね。また再度育休が取れるのもフレキシブルでいい制度だと感じます。

もうひとつは「パパ・ママ育休プラス」。両親がともに育休を取る場合、父親は子が1歳2ヶ月になるまでの間、育休を延長できる制度です。

引用:育児休業制度とは(イクメンプロジェクト・厚生労働省)

母親が復職する時期は保育園での慣らし保育と重なるため、仕事と育児の両立で負担が大きくなりやすいです。この時期に父親が休暇を取ることで、新しい生活をサポートしやすくなります。

なお母親の育児休業給付金が50%に減額されるタイミングで父親が育休を取れば、「2人合わせて最長で1年2ヶ月まで67%の給付が受けられる」と厚生労働省の資料にあります。

しかし2人の育休期間が重なっても、それぞれの休業開始から6ヶ月間は67%給付が受けられるので、取得時期はそこまで気にしなくてもいいのかなと思います。

育児休業給付金は健康保険とハローワークから支給

育休を取得しようと考えたとき、「働いてもいないのに会社から給付金を受け取るのは気が引ける……」という方がいます。しかし産休中の出産手当金は健康保険から、育休中の育児休業給付金はハローワーク(雇用保険)から支給されます。

もちろん保険料は労使折半してもらっていますが、会社への金銭的な負担はそこまで気にしなくてもいいのではないでしょうか。むしろこれまで多くの保険料を支払ってきた恩恵を受けたいと思ってしまいます(笑)。

育児は大変!育休中は休めない

育児休業という名前から「育児のためとはいえ、結局休みでしょ」と思われがちですが、それは育児をまともにしたことのない人の意見ではないでしょうか(怒)。

育児は本当に大変です。第一子、第二子、1児、多児、どんな状況であれ大きな負担がかかります。基本的に眠れないですし疲れも蓄積します。それは自分だけでなくパートナーもです。

育児休暇期間を利用して副業やスキルアップをしたくなる気持ちも分かりますが、必ずパートナーに相談することをお勧めします。

育児休暇中の収入をカバーする方法

夫婦ともに育休を取得した場合、収入の減少は避けられません。ではどう対応したらいいのでしょうか。その方法を調べてみたので共有します。

①一時的な副業で収入アップ

実は育児休暇中でも、会社から在宅勤務で仕事を受けることは可能です。ただ以下に当てはまる場合は、育児休業給付金がもらえなくなってしまいますので、注意しましょう。

【育児休暇給付金がもらえなくなるケース】
・会社から休業前の約80%以上の賃金が支払われている場合
・就労日数が月10日(10日を超える場合は、就労している時間が80時間)を越える場合

他の企業と雇用関係を結ぶ場合でも、上記の制限の対象になるので注意が必要です。そもそも副業禁止の会社の場合はバレると問題になることも多いので、副業は避けた方が無難かもしれません。

会社を通さずに個人事業主として副業する場合は、この限りではありません。システムエンジニアやWEBライターなど、副業しやすいスキルを事前に習得しておくのも手ですね。

参考:Q&A~育児休業給付~内、Q8・Q9(厚生労働省)

②資産運用で収入の柱を増やしておく

妊娠が分かってから出産までは約10ヶ月ありますので、その間に株や投資信託、FXなどの資産運用を勉強して、収入の柱を増やしておく方法もあります。

あまりにリスクの高い運用をするとマイナスを被ってしまう可能性もあるので、商品にもよりますが年利3%〜10%程度の運用を目指すとよいでしょう。

不動産投資も毎月賃料収入が得られるので効果的ですが、契約直後は頭金など大きなお金が動きやすいので家計の負担になってしまう可能性も高いです。焦って契約することは避けた方が無難だと思います。

③社会保険料免除により意外と収入は減らない?

育休中の収入は標準報酬月額の67%に減りますが、「実際の手取り金額は休業前の約80%になる」と厚生労働省は発表しています。

育児休業期間中、賃金が支払われないなど一定の要件を満たす場合には、「育児休業給付金」が支給され、休業開始時賃金の67%(休業開始から6か月経過後は50%)が支給されます。
育児休業給付金は非課税のため、所得税はかかりません(翌年度の住民税算定額にも含まれません)
また、育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除されます。給与所得が無ければ、雇用保険料も生じません。
その結果、手取り賃金で比べると休業前の最大約8割となります。
詳細は最寄りのハローワークまでお問い合わせください。

引用:育児休業制度とは(イクメンプロジェクト・厚生労働省)

「意外に多くのお金がもらえた」という産休中ママさんの声を聞いたことがありますが、所得税や社会保険料が免除されるからだったんですね。

約80%もらえるなら収入の心配をしなくてもいいかな、と思う方もいるかもしれません。

育児休暇取得による降格や減給はパタハラ?

育休取得をする父親が増加しそうな一方で、育休を取得したことや家庭を優先した男性に対する嫌がらせ、「パタニティーハラスメント(パタハラ)」も散見されるようになりました。

その嫌がらせは、責任ある仕事を任されなくなった、昇進や昇給ができなかった、人事評価を不当に低くされたなど。これまでワーキングマザーが受けてきた仕打ちが男性にも降り掛かっている状態です。

とはいえ、父親の育児休暇を取得率は未だに6.16%平成30年度雇用均等基本調査(速報版)より)と、育休取得者が少数派であることは事実。

育休前に職場で理解を得ておく、復職のスケジュールや復職後の処遇について役職者と事前にしっかり話し合っておくなど、職場と良好な関係をキープする根回しは必要だと思います。事前にできる対策はすべて講じておくといいですね。

育児休暇中の収入源は事前対策を。育休中は育児に集中

男性も育児休暇を取るケースはまだ少数とはいえ、制度は整っている状態です。父親ならではの育休取得方法もありますので、パートナーと相談しながら育休を利用したいと思います。

収入減少への対抗策は資産運用などで収入の柱を増やす、一時的に副業をするなどの方法があります。ただ育休期間は育児でてんやわんやになりがち。育休前に準備をしておいた方がいいでしょう。

その子どもに一度しかない新生児期。そんな貴重な時期を家族で過ごせたら最高ですね。