「米国株投資がアツい」と聞いたとき、率直に思ったのは「株式投資って怖そう……」ということでした。
株式は値動きが大きめで、売買のタイミングを見極めるのが難しいイメージだったので、これまで購入してこなかったのです。
でもやっぱり米国株に投資して恩恵を受けたい!
というときは、投資信託で米国株に投資をする方法もありますよ。
- 私のように「いきなり株式投資は怖い」と感じる方
- すでに積立NISA口座を開いていて、魅力的な投資信託を探している方
- 投資は怖いが、会社都合でiDeCoはやっているという方
という方は、投資信託のほうが向いているかもしれません。投資信託で米国株投資をする方法についてまとめました。
投資信託とは
そもそも投資信託とは、どういった金融商品なのでしょうか?
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
投信会社が複数の株式や債券を組み合わせて作ったファンドを、好きな金額だけ購入できるのが投資信託です。
例えるなら、「福袋」でしょうか。
アパレルショップで売っているカットソーやパンツなどの中から、あるテーマに沿ってショップ店員が袋に詰めて、福袋として販売しているイメージです。
うまい例えではないですが、伝わったらうれしいです^^;
投資信託のメリット
投資信託を購入して資産運用をするメリットはたくさんありますが、中でも代表的なものを3つご紹介します。
メリット①少額から購入できる
日本株式は基本的に100株から、米国株は1株から購入可能ですが、最低購入価格は数万円かかることが多いです。大手企業の株式だと50万円近くかかることも!
一方の投資信託は、販売スタート時は基準価額(株価みたいなものです)1万円からスタートします。その後基準価額は変動していきますが、だいたい数千円台〜3万円台になっている商品が多いです。
投資信託の購入単位は「1口」からなので、数千円から3万円程度あれば、購入できる計算になります。つまり、株式よりも少額から投資を始められるのがメリットです。
メリット②分散投資ができる
値動きのある商品の値動きリスクを軽減するには、複数の商品を購入して値動きを分散させる「分散投資」が有効、というのが定説です。
個人的には、国や性質の異なる株式や債券、そして元本保証のある預貯金をバランスよく保有していると、将来的に資産が数%ずつ増加していくと見込んでいます。
でも日頃忙しい個人が、複数の株式や債券などを購入して逐一管理するのは、時間的な限界がありますよね。
ところが投資信託なら、すでに複数商品に投資できるようにファンドが組まれているので、ひとつの商品を購入するだけで分散投資が可能になるのです。とても便利ですね。
メリット③つみたてNISA、iDeCoの対象商品
非課税口座のNISAは、株式や投資信託などあらゆる商品が非課税の対象になりますが、つみたてNISAやiDeCoでは基本的に投資信託が対象になっています。
すでにつみたてNISAを選択している方や、iDeCoで資産形成をしたい方は、投資信託を使って米国株投資が可能なんです。
投資信託のデメリット
合わせて、投資信託のデメリットも紹介しておきます。メリットとデメリットの双方を知った上で投資をすれば、投資に対する不安も解消できると思いますよ。
デメリット①購入時・運用中に手数料がかかる
投資信託の運用成績を左右する大きな要素は2つあると考えていますが、そのひとつが「手数料率の高さ」です。
投資信託は、
- 商品の運用をする「委託会社(運用会社)」
- 商品の販売を担当する「販売会社」
- ファンドの資産を預かる「受託会社」
の3会社が関係している、手間のかかった商品です。そのため、投資信託の販売時や運用中に手数料を天引きして、それぞれの会社が報酬を受け取っています。
手数料率は商品や販売チャネル(窓口かインターネット)によって異なりますが、販売時の手数料で0%〜4%程度、運用中の管理費用(信託報酬など)で0%台〜1%台が多いです。
一番手数料が多くかかるパターンは、銀行や証券会社の窓口で、複数の外国株式・債券を組み合わせたファンドを購入する場合です。
逆に一番手数料のかからないパターンは、インターネット専門の銀行や証券会社で、日経平均株価やS&P500など、単一の指標に沿って動くタイプのファンドを購入する場合です。こういったファンドは、販売手数料のない「ノーロード商品」が一般的だからです。
手数料は商品を運用するためにはたしかに必要ですが、投資家から見たらただのコスト。ノーロード商品や信託報酬の低い商品をセレクトするのがおすすめですよ。
デメリット②委託会社によって運用成績が異なる
投資信託の運用成績を左右する、もうひとつの大きな要素は、委託会社の手腕です。
委託会社(運用会社ともいう)は、投資信託を設計して商品化し、預かった資金を元にファンド全体を運用しています。
この委託会社の手腕によって、投資信託の値動きが左右されるのです。素人投資家とプロの投資家で、資産の増え方が異なることと同じですね。
このデメリットを解消する方法はかんたんで、証券会社のサイトから人気の投資信託を検索し、値動きを比較することです。
投資にチャレンジしている人にはプロも多いので、そもそも組まれている中身に問題があったり、運用が下手だったりするファンドには、資金が集まらなくなります。
よって、ある程度人気の商品や、純資産残高(ファンドに集まっているお金)が増えている商品を選べば、大きく負けるリスクは減ると思います。
デメリット③当日中の買付・売却ができない
投資信託と株式で大きく違うのは、当日中売買の可否です。株式は市場が開いていれば即日取引が可能で、そのときの値動きを見て売買することができます。
しかし投資信託は、その日に買い注文を入れた場合、購入する基準価額が決定するのはその当日もしくは翌日(ものによっては翌々日)、購入資金が移動するのは数営業日後と、資金決済まで完了するのに数日かかります。
よって、デイトレのようにその日の値動きを見ながら取引をしたい方には不向きでしょう。ただ、短期売買ではなく長期的な運用を希望する方なら、投資信託でも問題ないかなと思います。
株式・債券・投資信託の「リスク」の違い
運用商品にはリスクがつきものですが、「リスク=怖い」というイメージがある人も多いのではないでしょうか?
ここでいうリスクとは、「値動きの幅」を表します。
「リスクとリターン」(投資信託協会)より
- ハイリスク(値動きの大きい商品)→ハイリターン(大きな利益が狙える)
- ローリスク(値動きの小さな商品)→ローリターン(少しの利益しか狙えない)
という性質があります。
では、株式・債券・投資信託は、どのようなリスクの違いがあるのでしょうか?この図がわかりやすかったので、拝借しました。
ちなみに投資信託のリスクは、その商品が何によって組まれているか、その中身によって変わります。
もし複数の外国株式で構成されているなら、そのリスクは外国株式とほぼ同じです。逆に日本債券で構成されているなら、そのリスクは国内債券に近づきます。
米国株投資をするなら米国株式で組まれている投資信託を購入するので、ハイリスク・ハイリターンの商品に投資することになりますね。
米国株投資で人気の投資信託って?
最近証券会社の販売ランキングの上位を賑わせている、人気の米国株もの投資信託は、この3つに絞られるかと思います。
【主な投資信託(米国株式もの)】
・eMAXISS Slim 米国株式(S&P500)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))
・SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
これ以外の商品を含め、おすすめの投資信託について紹介されている記事をシェアしますので、参考にしてみてくださいね。
ちなみに私は、昨年から「eMAXISS Slim 米国株式(S&P500)」を定期的に購入し、数%上がったときに売却して利益を得ていました。少額からコツコツ購入できるのは、資金力の低い市民の味方だと思います(*^^*)
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投資信託を使って米国株投資をスタート
米国株投資をしたいけれど、株式を買うのはちょっと怖い……。という方には、投資信託を購入するのがおすすめです。
ノーロードの米国株もの投資信託も充実している今のうちに、具体的に検討してはいかがでしょうか。