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米国株投資にNISAは使う?使わない?非課税口座の活用術

利益を非課税にできるNISA制度。米国株投資をするときに利用した方がいいのでしょうか?そもそもNISAとは何か、という基本的なところから解説していきましょう。

NISAとは?

NISA(少額投資非課税制度)とは、2023年まで最長5年の間、毎年120万円までの投資で得た利益が非課税になる制度です。

例えば、年間で100万円分の国内株式を購入し、合計10万円の利益が出たとします。通常の証券口座だと、この10万円に対して20.315%の税金がかかります。

通常の証券口座での受け取り額は、
10万円−(10万円×20.315%)=79,685円

NISA口座での受け取り額は、
10万円−(非課税)=100,000円

NISA口座では税金が引かれないので、10万円まるまる受け取れますね。

NISA制度について詳しく知りたい方は、「バンクアカデミー」さんの記事が分かりやすかったので、参考にしてみてください。

【超初心者向け】NISAとは?メリットやデメリット、おすすめの始め方まで網羅!(BANK ACADEMY)

米国株投資にNISAは使える?

このNISAは米国株投資にも活用できます。約20%の税金が引かれないのは大きなメリットなので、ぜひ積極的にNISA口座で取引した方がいいでしょう。

NISAに関して知っておいた方がいいポイントが3つありますので、共有しておきますね。

ポイント①NISA登録できるのは、ひとつの口座だけ

証券口座は一人で何個でも持つことができ、私も今のところ楽天証券とマネックス証券に口座を持っています。

しかしNISAに登録できるのは、ひとつの口座だけです。なので、NISA登録をした証券口座では、年間120万円のNISA枠分まできっちり使った方がお得ですよ。

ポイント②つみたてNISA制度は使えない

NISAと同じような制度に「つみたてNISA」があります。これは、最長20年間、年間40万円までの取引に関する利益が非課税になる制度です。

このつみたてNISA口座で取引できる商品は、投資信託の一部に限定されており、米国株式は対象外なので注意してください。

「すでにつみたてNISAを利用しているけれど米国株投資をしたい」という方は、米国株式で組まれた投資信託を積立購入するか、NISAへの切り替え手続きをするといいでしょう。

つみたてNISAからNISAに切り替える場合は、年単位での変更が可能です。その年すでにつみたてNISA口座で取引をしている場合は、来年分から変更できます。

もしその年の取引がない場合には、その年の1月〜9月の間に手続きをすれば、翌年からNISAに変更できますよ。詳しくは各証券会社の公式サイトで確認してみましょう。

参考:楽天証券の場合

③外国税額控除が利用できない

米国株から得た配当金は、まず米国にて10%課税され、さらに日本でも20.315%が課税されたのち、その残金が口座に入ります。

このような二重課税をなくすためには、確定申告をして外国税額控除を利用します。そうすると、米国で引かれた税金分は所得から控除できるので、会社員の収入がある方なら全額もしくは大半は戻ってくるでしょう。

しかしNISA口座を利用すると、日本では非課税扱いになるので、”二重課税”ではなくなり、外国税額控除の対象外になってしまいます。

NISA口座で取引をした米国株で利益が出た場合

売却による値上がり益→非課税
配当金→課税(10%)

通常の証券口座で取引をした米国株で利益が出た場合(外国税額控除あり)

売却による値上がり益→課税(20.315%)
配当金→課税(20.315%)

以上の結果から、外国税額控除の利用に関わらず、NISA口座で取引をするメリットは大きいでしょう。

現行のNISA制度は2023年で終了しますが、2024年から新制度で再スタートすることが決まっています。その詳しい内容は検討段階ですが、現行のNISAとつみたてNISAを足したような制度になる見込みです。

参考:令和2年度税制改正について(金融庁)
この資料の3ページ目に詳細が記載されています。

まとめ

米国株投資をするなら、NISA口座を利用すると税金面でメリットが大きいです。5年という限られた期間のうちにこのメリットを存分に活用し、資産形成を行いましょう。