NISA を活用した米国株投資に向けて、以下の楽天証券が提供するファンダメンタル分析の基礎動画について、学習したことをまとめておこうと思います。
参考にした情報はこちら
投資スタイルについて
バリュー投資とグロース投資の2つの投資スタイルがあります。
バリュー投資
PER や PBR などの投資指標をもとに本来の企業価値より割安で放置されている銘柄に投資し、本来の価値になったタイミングで売却する。
見るポイント: 投資指標(PER, PBR, 配当利回り など)
グロース投資
PER や PBRの数値は多少高くても、企業の成長性に着目して投資し、成長が止まる、スピードが鈍化するタイミングで売却する。
見るポイント: 売上、利益の推移や利益率、将来の業績見通し
PBR や PER は割安かどうかを判断する指標ですね。以前の記事で書きました。
PER(株価収益率)
1株ごと当期純利益の何倍まで、株が購入されているかを示す指標のこと。PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
PBR(株価純資産倍率)
1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で買われているかを示す指標のこと。PBR(倍) = 株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)
バリュー投資とグロース投資では視点が違うので、
◆ 業績好調なバリュー株はない
◆ 割安なグロース株はない
は少なくとも覚えておこうと思います。
割安の指標とは?
そもそも 割安 ってどういった意味なのか?
PER と PBR について深堀りしてみようと思います。
PER と 割安
PER は、15~20倍が適正、15倍を下回ると割安と判断されるのが一般的というのですが、その倍率にどんな意味があるんでしょう?
参考にした「最低限知っておきたいファンダメンタル分析の基礎知識」での例がわかりやすかったので書きとどめておきます。
PER は 当期の予想当期純利益が同じ水準で今後も続いたと仮定して、自分が投資した資金を利益で回収するために何年かかるか? を表している
例えば、株価 1,000円で、
1株当たり予想当期純利益が 50円 の場合、
PER は 1,000 / 50 = 20 倍になります。
つまり、PER 20 倍とは、
投資した資金を利益で回収するのに20年かかるという意味になります。
そりゃ、短い期間で回収できたらうれしいですよね。
ただあくまで一般論であり、
動画では PER 7倍でも株価が上がらない、
PER 40倍でも下がらず上がり続けている例について説明していました。
この矛盾への理解がPER を使いこなす鍵になるようです。
例えば、PER が 10倍の4社があり、どれも当期だけは割安に見えますが、
3年前までの1株当たりの当期純利益を見ると、
A社:PER 20倍 → 16倍 → 11倍 → 10 倍 (純利益 UP、倍率 DOWN)
B社:PER 10倍 → 10倍 → 10倍 → 10 倍 (変わりなし)
C社:PER 2.5 倍 → 5倍 → 7.1倍 → 10 倍 (純利益 DOWN、倍率 UP)
D社:PER -10倍 → 5倍 → -5倍 → 10 倍 (不安定)
だとしたら、A社以外は割安と判断はできないでしょう。
PER の前提は、当期の純利益がこれからも続いた場合を仮定ですが、
そんな企業は基本的にないので、数字だけでは判断できないということなんですね。
そのため、適正 PER を求める必要があるということでした。
株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 の内容曰く
年間利益成長率 をみて、PER の適正値を判断するといいらしいです。
年間利益成長率 | 適正PER |
0% | 10倍 |
10% | 15.96倍 |
30% | 42.62倍 |
△2% | 9.15倍 |
年間の利益成長率をみて、PER の倍率も割安かどうか変わってくるとのこと。
今、CSCO を見ているのですが、指標をみると
PER は 15% ですが、成長率が 30% あるので、割安と判断はできないようです。
楽天証券の業績予想を見ると確かに、割安感のチャートは低いですね。
PER | 15.78 |
EPS対前年比伸び率(%) | 30.29 |
※ 2020/5/21 時点
特に PER が低いと 何かしらの「理由」があると判断できるようなので、
結局、PER だけを鵜のみにしない、が一番重要なことのようでした。
PBR と 割安
PER だけ見ても意味がないことはわかったので、PBR はどうでしょう?
PBR は 1倍割れをしたら割安とされることが一般的です。
例えば、1株当たりの純資産が 500円で、1株 750 円だと、
PBR = 750 / 500 = 1.5 倍 となります。
PBR は もし会社が解散したら株主に1株いくら戻ってくるかという解散価値 を表している。
ただ、こちらもあくまで一般論で、解散価値は空論であり
普通に考えて、解散はしないです。そのため、PBR が1倍割れしていても
実際に株価が上がっておらず、PBR をみて投資している投資家は少ないとのこと。
なるほどねぇ…
配当利回りと割安
では、配当利回りではどうなのだろうか?
配当利回り(%) = 当期1株当たりの予想配当金 / 株価 x 100
で計算されます。
配当利回りは、当期の1株当たり予想配当期の水準が今後も続くと仮定して、今の株価で投資したら年率何%の利回りになるかということを表している。
出ました。水準が続くと仮定して…
まぁ、続かないと思ったほうがよさそうです(笑)
PER と同じ理論で、5% 合っても業績が下がっていたら、割安ではないですね。企業の成長率が重要であることがわかります。
動画では、配当利回りのポイントとして
◆ 増配が続いている・配当金が安定している銘柄が無難
◆ 配当性向に注意(特に 100% 超え)
◆ 配当金+株主優待を含めた 合計利回り で判断するのも一法
ということでした。勉強になります!
PER・PBR と ROE の関係性
最後に、ROE との関係をまとめます。
ROE(自己資本利益率)
企業が自己資本を元にどれくらい利益を生み出したかを表している指標のこと。ROEが高い企業は効率的な経営ができている企業で、低い企業は経営効率の悪い企業だといえます。
ROE が高いと株価が上がりやすいとされていますが
PER、PBR、配当利回りのように株価が計算式に介在していないので、
直接的な関係はありません。
ただ、以下の表のように
純資産 | ROE | 資産が2倍になるために必要な期間 |
1000万 | 20% | 5年 |
1000万 | 10% | 10年 |
という2社があった場合、
ROE が高い = 企業価値が上昇するスピードが速い
と判断できるため、株価が上昇しやすいということです。
PBR と ROE
PBR の計算式をみると、
PBR = PER x ROE で計算されるので、
ROE をみて同じ PBR が低い銘柄でもどちらが割安かを判断することができるようです。
低 PBR でも、低 PER で 高 ROE のほうが割安である。
また、ROE が高いほど株価上昇しやすくなるのは、
PBR = PER x ROE を変換して
PER = PBR / ROE となり、
ROE を高めると、PER が下がり、割安となるので、株価が上昇しやすくなる
ということでした。わかりやすい!!
バリュー株の結論
今回の楽天証券の 超実践・足立武志の株式投資講座 2回目 最低限知っておきたいファンダメンタル分析の基礎知識 では
バリュー株目線だと、
上昇する銘柄は探しづらいので、
グロース株視点から銘柄を選択すべし!
という結論でした… まだまだ知るべきことがありそうです。
ということで、次は グロース株 について理解を深めます。