投資

米国株投資のデメリットと対応方法

先日の記事で、米国株には4つのデメリットがあることを記載しました。

  • 企業情報が入手しにくいこと
  • 為替変動が影響すること
  • 売買手数料が割高なこと
  • 配当金に対して米国でも10%課税されること

このデメリットを解消する方法はあるのでしょうか?それぞれ考察していきたいと思います。

「企業情報が入手しにくいこと」への対応方法

米国企業のニュースは日本にいるとあまり伝わってこないため、自分から意識的に情報収集をする必要があります。しかし仕事が忙しいと、その時間すら割けないのが現状です。

この情報収集を省略したい場合には、主に2つの解決手段があります。

  • 有名投資家のポートフォリオをそのまま真似して購入する
  • 個別株ではなく米国ETFを購入する

それぞれの方法について見ていきましょう。

「ポートフォリオ」とは?
金融商品や運用商品の組み合わせのこと。
購入する商品の組み合わせを決めることは、「ポートフォリオを組む」と表現します。

有名投資家のポートフォリオを知る手段

著名な投資家といえば、世界三大投資家のウォーレン・バフェット氏やジョージ・ソロス氏、レイ・ダリオ氏などが有名です。

彼らは圧倒的な企業分析力を持ち、世界の経済界にも影響を与えています。一個人が限られた情報源を用いて企業分析や相場判断をしても、彼らの経験値には叶わないでしょう。その知恵をお借りして同じ企業に投資をするのも、立派な投資判断です。

そのポートフォリオを知る手段としては、「iBillionaire」が便利でしたが、残念ながら2020年1月でサービス終了してしまいました。

代わりに利用できるサービスを現在捜索中です。

個別株ではなく米国ETFを購入する

個別の米国株に関する情報が少ないのであれば、複数の株式が集約された米国ETF(上場投資信託)を購入するのも手です。

ETFのメリットは、良い値動きが期待できる株式を集めてパッケージ化している点です。その値動きは証券会社のサイトやチャートツールでも簡単に確認できるので、管理がしやすいのも特徴ですね。

最近人気なのは、継続して値上がりしているS&P500にインデックスしたETFです。詳しい銘柄についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。

「為替変動が影響すること」への対応方法

日本円以外の外貨建ての商品は、為替変動が影響します。この場合の為替とは、外国為替、つまり「異なる国の通貨の交換比率(相場)」のことを指します。

外国為替に関してはこちらの記事で詳しく紹介されていますので、参考に読んでみてくださいね。
「為替とは」(大和ネクスト銀行 外貨預金ポータルサイト)

外国為替レートの簡単な事例

例えば、ある米国企業の株式が、1株100ドルだったとします。これを購入するときには、日本円を米ドルに交換してから購入しますよね。そのときの外国為替レートによって、必要な日本円額が変わってきます。

1米ドル=130円のとき:
100ドルを購入するのに必要な金額は100ドル×130円=13,000円

1米ドル=100円のとき:
100ドルを購入するのに必要な金額は100ドル×100円=10,000円

ちなみに、1米ドル=130円よりも1米ドル=100円の方が「円高・ドル安」です。米ドルを購入するときには、なるべく円高・ドル安のときに購入した方が、米ドルが安く買えますよ。

逆に持っている米国株を売って日本円に替える際は、「円安・ドル高」のときがおすすめです。

1米ドル=130円のとき:
100ドルを日本円に替えると100ドル×130円=13,000円

1米ドル=100円のとき:
100ドルを日本円に替えると100ドル×100円=10,000円

1米ドル=100円のときよりも1米ドル=130円のときに両替した方が、多くの日本円が入手できますね。

ただ、米ドルのまま保有しておいても問題ないですし、外貨両替にはその都度手数料がかかるので、頻繁な両替は避けた方がいいです。日本円が必要になったときに、そのときの為替相場を見て、まとめて両替したらいいと思います。

株式と為替、金利の関係性って?

ちなみに、企業の株式と為替そして金利には、密接な関係があります。SMBC日興証券の記事が参考になりました。

日本企業は輸出企業の方が圧倒的に多いですが、輸出企業は円安・ドル高、輸入企業は円高・ドル安の方がビジネスに有利です。そんな日本の特性を知っている外国人投資家は、円高になると日本株を売りやすくなる傾向があります。そんな豆知識も役立つかもしれません。

「売買手数料が割高なこと」への対応方法

米国株を購入するとどれくらいの手数料がかかるのか、具体的にシミュレーションしてみましょう。

米国株を売買したときにかかる取引手数料は、最低取引手数料・取引手数料・上限取引手数料という3つの側面から定められています。

  マネックス証券 SBI証券 楽天証券
最低取引手数料 0円 0円 0円
取引手数料 0.45% 0.45% 0.45%
上限取引手数料 20ドル 20ドル 20ドル

まず最低取引手数料です。元々SBI証券などでは最低取引手数料を「5ドル」と定めており、どんなに少額の取引でも5ドルの取引手数料がかかっていました。しかし今は0ドルに改善されているので特に気にしなくていいでしょう。

取引手数料は、約定金額の0.45%ですね。例えば、1株1000ドルの米国株を取引したとき、その取引手数料は、「1000ドル×0.45%=4.5ドル(税抜)」になります。

上限取引手数料は、20ドル(税抜)です。計算すると、約4444.4ドルを超える取引については、20ドルまでしか手数料がかかりません。4444.4ドルは、日本円にして約48.4万円(1ドル=109円で計算)。大口取引をするときにお得な制度ですね。

対して、日本株の取引手数料を確認してみましょう。例えば楽天証券の「超割コース」は、金額に応じて段階的に手数料が定められています。一番割高な「5万円まで」の手数料は55円、割合で表すと0.11%です。米国株の取引手数料0.45%の方が明らかに高いですね。

この取引手数料の高さをカバーするためには、しっかりと運用益を出すことに尽きるでしょう。0.45%のコストを負担してよかった、と思うような運用パフォーマンスが期待できる株式に投資するといいですね。

「配当金に対し米国でも10%課税されること」への対応

米国株を保有している間に受け取った配当金に対しては、米国にて税金10%が引かれ、さらに日本でも20.315%が引かれた上で、残った金額が証券口座に入ります。

このような二重課税状態を避けるには、その年の確定申告で外国税額控除を申告すれば、税国でかかった税金分が所得から控除されます。多くの配当金を受け取った方は、しっかり手続きをするといいですね。

米国株を売却して得た利益部分は二重課税されません。また、NISA口座で受け取った配当金は日本で課税されないので、外国税額控除の対象外です。

マネックス証券の記事がとても分かりやすかったので、一度見てみてください。

米国株のデメリットと対応方法を理解してから投資しよう

米国株のデメリットとその対応方法についてご紹介しました。どのような資産運用方法にもデメリットはあると思います。その対処方法を知ってから、投資をスタートするといいでしょう。